人とモノとの出会いに感謝して日々を楽しむ
酒豪なアラフォーのトモヒコスこと佐藤智彦。
ボクの人生を支える愛するモノと音楽とともに
マイペース&セルフィッシュに語る人生の戯言集。
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never let me go
わたしを離さないで。


先週末は気になる映画が何本も公開になりました。
その中でボクが個人的にも想い入れを持ったのは

《イリュージョニスト》と
《わたしを離さないで》の二本。


sylvain chomet(シルヴァン・ショメ)監督の
最新アニメーション作品。

フランスを代表する喜劇王であるjacques tati
(ジャック・タチ)さんが、1950年代後半
ご自身の娘さんに書いた脚本が原作。

全編を通して台詞はほとんどなく、
監督自身による美しい音楽も印象的な
無声映画を思わせる作品です。

主人公の手品師タチシェフの話すフランス語、
彼が亡き娘の面影を抱くアリスの話す
スコットランド・ゲール語。

彼らは言葉でのコミュニケーションが成立して
いないが故に、心の繋がりが浮き彫りとなっています。

古くさい手書きのアニメーションとcgが融合した
驚異的に美しい映像が、切ないラストに向けて
心を惹き付けて止みません。

途中タチさんの代表作《ぼくの伯父さん》が
上映されている映画館が登場するのはご愛嬌。


さて、もう一本の《わたしを離さないで》は
ブッカー賞作家であり《浮世の画家》《日の名残り》
世界的に知られる日本出身の英国人作家、kazuo ishiguro
(カズオ・イシグロ)さんの作品を映画化したもの。

■rachel portman / "never let me go (ost)"

優秀な介護人として「提供者」の世話をしている
キャシーが、親友であるトミーやルースとの
友情、生まれ育った寄宿学校ヘールシャムでの
奇妙な日々を想い出していく・・・。

原作はsf的な要素を含みながらも、《日の名残り》同様
薫り立つような英国の風景や叙情的な展開で、
あくまでも自然に読む者を引き込む不思議な作品でした。

映画はそんな「イシグロの世界」を見事に映像化。
通常原作モノは映像化されるとかなりガッカリすることも
多いのですが、この作品は原作の透明感漂う空気まで
表現した仕上がりでした。

親友トミー役のandrew garfield(アンドリュー・ガーフィルド)
さんや、ルース役のkeira knightley(キーラ・ナイトレイ)さんも
自然な演技で作品に溶け込んでいましたが、主役のキャシー役
carey mulliigan(キャシー・マリガン)さんが秀逸!

《ウォール・ストリート》でmichael douglas
(マイケル・ダグラス)さん扮するゴードン・ゲッコーの
都会的なお嬢さん役も記憶に新しいですが、
今回の《わたしを離さないで》では全く違った印象。

数奇で残酷な運命を持つ女性を見事に演じ、
特に自然に流す涙が印象的でした。

ちなみに原作を読まれた方は、ジュディ・ブリッジウォーターなる
架空の歌手が唄う《わたしを離さないで》という曲が
気になったかと思いますが、映画でもちゃんと登場します。

ただ同曲を収録したカセットテープについて
映画ではあまり掘り下げられていない点は残念でした。
日本版の原作では表紙にもカセットテープのイラストが
使われるほど、原作を象徴していたのですから。

■日本語版原作本:カズオ・イシグロ《わたしを離さないで》


《イリュージョニスト》と《わたしを離さないで》
どちらも重く切ないテーマを含む作品ですが
個人的にはオススメの映画です。

春の兆しが見えつつも寒さが戻ってきてしまう
揺らぎのある不安定な季節の今、ある意味ぴったりな
作品と言えるかも知れません。


◆映画《イリュージョニスト》の公式サイトはこちら
◆映画《わたしを離さないで》の公式サイトはこちら

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《本日の一曲》
■clementine / "mes nuits, mes jours"より
13曲目"never let me go"。

最近では《アニメンティーヌ》の印象が強いclementine
(クレモンティーヌ)さんの作品の中で、
ボクが一番好きなアルバム。
このcdを買った時、ボクはまだ10代でした・・・。

ちなみに同曲は映画《わたしを離さないで》とは関係ありません。
ただ原作のタイトルを初めて目にした時から、ボクの頭の中では
この曲が流れていたのです。
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スクリーンの切ない想いに
運命の刹那を感じて。
トモヒコス

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