人とモノとの出会いに感謝して日々を楽しむ
酒豪なアラフォーのトモヒコスこと佐藤智彦。
ボクの人生を支える愛するモノと音楽とともに
マイペース&セルフィッシュに語る人生の戯言集。
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abyss
ボクが愛用しているモノ、その8。
《ペシャワールで出会った魔法の絨毯》の話。


団体行動の苦手なボクですが、
数年前珍しくツアーの旅行に参加しました。

というのもパキスタンと中国に跨がり、
カラコルム山脈を横断する
長さ約1,300kmの道、カラコルム・ハイウェイを
全区間走破するため。

パキスタンの首都イスラマバード近郊の
ラワルピンディから、中国との国境である
標高約4,693メートルのクンジュラブ峠を越え、
新疆ウイグル自治区カシュガルまでの道。

距離の問題だけでなく、国境を横断する舗装道路
として世界最高所を通るため、
高度順応の問題もあります。

故に効率よく廻るためにはツアーへの参加が
望ましいと思ったからです。

また、ツアーに参加することで
通常個人では行くことが難しい、
パキスタンとアフガニスタンの国境である
カイバル峠に行くことも出来るからです。

古来より文明の交差点として重要な役割を果たした
同峠は、あのアレキサンダー大王もインド遠征で
通ったのだとか(諸説あり)。

「アレックスが通ったんなら
ボクも行かなきゃダメでしょ」

というお門違い、勘違い、大間違いの想いからも
参加した旅の様子は、語るとキリがないので
割愛しますが、個人的には観光の他に
もう一つ大きな目的がありました。

それは、絨毯を買ってくること。

そんなボクの想いが通じてか(?)、
旅の途中で休憩がてら大きな絨毯店に立ち寄る
機会がありました。

ボクが知る限る、おそらく世界一
埃っぽい街、ペシャワール。
その街道沿いに運命の店はあったのです。

通常こうした観光客が立ち寄る店には
総じて大したものが置いてありません。
ところがその店は観光客目当ての手頃な商品以外に、
質の高い絨毯が数多く揃っていました。

そんな中、ふと目が停まったのは
ボクの背丈ほどの絶妙な大きさの美しい絨毯。
実は他の観光客が見ていたものです。

間違いなくイラン製シルクの手織りペルシャ絨毯で
手触り、光沢、毛足の長さとも申し分なく、
光の加減や毛足の向きで色の印象が全く異なる
玉虫のような織りをしてあるものです。

ボクがその絨毯に興味を持ったことに
気がついた店員が接客してきます。
ボクとしては心がかなり動いていたのですが
もちろん簡単に購入意欲は見せません。

さぁ、ここからが大好きなネゴシエーションです。

アジアでは何処でもこうした交渉が欠かせないので、
ボクはそれを楽しんでいるのですが、
今回は大物なため、かなり時間がかかりそうです。

そうこうしているうちに休憩時間も終わりに。
ボクとしては納得のいく価格になるまで
妥協するつもりはないので・・・

一旦ツアーを離脱することにしました。

添乗員にその旨さらっと伝えただけだったので、
ボクの同行者はボクがバスに戻ってないまま
出発したことに驚いたようです(すまぬ)。

ペプシや紅茶をご馳走になりながら
粘り強い交渉が続きます。
そのうち絨毯の原価が見えてきたので
こちらもその辺りをついた金額を提示します。

結局1時間近くかかったでしょうか、
ようやく先方を折らせる形で握手を交わしました。

そんな交渉を終えて手に入れた絨毯は
ボクの宝物として現在我が家の寝室に敷いてあります。

当初思い描いていた絨毯より立派な一枚になってしまいましたが、
使い込んでもまったく傷むことはなく、
手触りも衰えることがありません。
家財道具というに相応しい絨毯だったのでしょう。

そして絨毯の他に手に入れたものがもう一つ。

それはボクと交渉した店員akramとの友情。
彼と長い時間をかけて粘り強く向き合ったためか、
それ以来メル友になってしまいました。

偶然出会った運命的なモノと、
そこにまつわる数々のドラマ。

毎日この絨毯を見る度に、
ボクの心に様々な想い出が蘇ります。

ちなみに絨毯屋にはもちろん無料で
ホテルまで送らせた、もとい、送っていただきました。

実は購入しようとした時に
クレジットカードがバス車内のバッグにあったため、
結局店とホテルを一往復半。
旅の珍道中も今となってはよい想い出です。

■ペシャワールで出会ったイラン製の手織りカーペット。

現在我が家の寝室に敷いてあるそのペルシャ絨毯は、
全体的に淡いブルーなのだが、光の加減や毛足の向きで
カラーが変わる玉虫のような織りが特徴。
この1枚を作るのに一年以上もの歳月を費やすとか。

■織りの拡大。

機械織りではないため一枚一枚微妙な癖や特徴が現れる。
淵の模様はかなり立体的に仕上がっている。

■絨毯屋の店員、akram。

交渉に時間がかかった分、今では良き友。

■絨毯の梱包。

絨毯を小さく折りたたみ、麻布で包んだ後封が開かないように
縫い付けてくれ、持ち運びに便利なパッケージに。
ちなみに上質な絨毯は折りたたんでもシワにならないらしい。

■玄関に敷いてあるビンテージのカシュガル織りカーペット。

こちらは同じ旅で訪れた、新疆ウイグル自治区の街
カシュガルにあるショップで出会ったもの。
美しいデザインに惹かれ、思わず交渉。
こちらもそこそこ時間がかかりました・・・。

■柄のディテール。

こちらはブラウン系のカラーだが、やはり玉虫のような織り。

■カシュガルにあるカーペット工場で働くウィグル人の女性。

黙々と絨毯を織り上げていく姿は圧巻。

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《本日の一枚》
■anoushka shankar & karsh kale / "breathing under water"

2007年にリリースされた本作は、世界的に知られるシタール奏者
ravi shankar(ラヴィ・シャンカール)の娘であり、正当な後継者
でもあるanoushka shankar(アヌーシュカ・シャンカール)と、
herbie hancock(ハービー・ハンコック)やbill laswell(ビル・ラズウェル)
といったアーティストのコラボレーションでも知られるタブラ奏者
karsh kale(カーシュ・カーレイ)との夢のコラボレーション作。

sting(スティング)や、インドのクラブシーンを先導するmidival punditz
(ミディヴァル・パンディッツ)をはじめとする豪華ゲストも話題だが、
中でも先述のラヴィ・シャンカールや、その娘でありアヌーシュカの
異母姉であるnorah jones(ノラ・ジョーンズ)の参加はまさに奇跡!

ロンドン生まれのアヌーシュカとニューヨーク育ちのカーシュ、
nri(non-resident indian/在外インド人)であるこの2人の共演だから
当初はかなりエレクトロニカ系に走るのかと思いきや、ポップやロック、
オルタナティブからクラブ寄り、クラシックと実に多彩な内容に仕上がっており、
そんな中でも地に足の着いたインド伝統音楽が根底にあるため
決して雑多な雰囲気になっていない点がまさに感動的。

件のゲスト参加によるナンバーも聴きごたえ十分だが、
大正琴のようなサントゥールの音色も魅力の10曲目"abyss"が
個人的にはかなりお気に入り。
今のインドを象徴するような、伝統と現代が交差する独特の世界観は、
まさにこの二人の素敵な化学反応が成し得た技だと思うのだ。

youtubeでも聴ける"abyss"はこちら
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手の生み出す伝統の重さに
心のバランスを保ちつつ。
トモヒコス

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